さよならジャスティン・ウィルソン、さよならその日常

【2015.8.23】
インディカー・シリーズ第15戦 ポコノ・インディカー500
 
 
本当なら、ポコノのトライオーバルについて書きたいことも書くべきことも山ほどあったに違いなかった。ミッドオハイオの後にレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングがいまだ信用に足るチームではないと記したのは単なる経験的な予感に過ぎなかったが、今にして思えばあまりに予言めいたその言葉ははかなく的中してしまい、チームはもっとも重要な局面で致命的な失敗を犯して選手権を遠ざけていく。2回目のピットで給油作業に手間取ったことで、直前まで5位を走っていたグレアム・レイホールは20番手の後方にまで下がってしまった。それさえなければトリスタン・ボーティエに内側から寄せられてスピンする必要もなかった。一事をもって万事を失うのはオーバルレースの常である。フォンタナでの給油ミスは軽い罰金を科せられるだけで済まされたが、二度目はなかった。書くべきこととは、たとえばそういう失意の果てにどう最終戦を戦うかという興味だ。
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