【2018.9.16】
インディカー・シリーズ第17戦(最終戦) グランプリ・オブ・ソノマ
終わってみると、ずいぶんと穏やかに過ぎた半年間だったと思えてくる。選手権の逆転に希望を託してソノマに臨んだアレキサンダー・ロッシの冒険が1周目のターン1でほぼ終わり、シーズンを総括する試みが宙に浮かんで捉えられないまま最終戦の数十周が過ぎていったからでもあるだろう。ロッシが迂闊としか見えない加速であろうことか実質的なチームメイトのマルコ・アンドレッティに追突し、フロントウイングの破損とパンクに見舞われた瞬間に、ソノマ・レースウェイを覆っていた緊張感の大半が解けて霧散していった、事実上2人に絞られていたチャンピオン争いの行方は、最初のグリーン・フラッグが振られてものの数秒のうちに決定づけられてしまったのだ。以降チェッカー・フラッグにいたるまでの2時間足らずのあいだは、初夏のころからずっと選手権の首位を保っていたスコット・ディクソンが丁寧にこの年を閉じるのを見守るための日になりそうだった。
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