
【2019.9.1】
インディカー・シリーズ第16戦 グランプリ・オブ・ポートランド
(ポートランド・インターナショナル・レースウェイ)
インディカー・シリーズのカレンダーに復帰して2年目を迎えたポートランドは、波瀾を含んだ幕開けとなった。選手権を争うドライバーがことごとく予選の早いラウンドで敗退したのだ。ポイントリーダーにして2年ぶりのシリーズ・チャンピオンを見据えるジョセフ・ニューガーデンと2位のシモン・パジェノーは簡単に第1ラウンドで姿を消し、それぞれ13番と18番グリッドで確定した。上位の失策に乗じたかった3位のアレキサンダー・ロッシまでもが第2ラウンドで敗退し、計算上の可能性は残るが現実的に逆転は難しいと見られるウィル・パワーとスコット・ディクソンがなんとか2番手と3番手に収まるのみだったのである。シーズン残り2戦の大詰めになってさえ上位陣が突然の低調に見舞われるのは一貫性の乏しいインディカーの愛すべき一面――ポコノのスーパースピードウェイ、1.25マイルオーバルのゲートウェイを経て今回がまるで性質の違うロードコースだから、もちろん日程からして「一貫」などしていない――ではあるものの、この予選結果は、選手権の観点においては大きな動きのない週末となる展開を予想させるものだった。得点差を次の最終戦に繰り越すためのレース。いわば、数字の計算で構成される選手権という擬制のシステムをしばし忘れ、コース上で起こる出来事だけに目を向けるようしむけた予選といった趣だったろうか。(↓)
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