【2024.4.28】
インディカー・シリーズ第3戦
チルドレンズ・オブ・アラバマ・インディGP
(バーバー・モータースポーツ・パーク)
今季開幕戦のセント・ピーターズバーグを振り返って、わたしは「再スタート直後の攻防がすべてだった」と書いた。31周目のそれが優勝争いを決定づける一幕だったからだ。その日、ポールシッターとして支配的にレースを進めていたジョセフ・ニューガーデンは、フルコース・コーション中に行われたピットストップの不手際で3位に順位を落とし、一転窮地に陥る。だが、再スタートを迎えるとすぐ眼の前のコルトン・ハータに追いつくとターン4ですぐさま2位に上がり、ほどなく首位を取り返す印象深い戦いで優勝を飾ったのだった。逆転に至るその力強い過程にはニューガーデンの、とりわけ20代のころのエネルギーに満ちた彼を思い起こさせる運動が横溢しており、結果は残しつつもどこか煮えきらなさが残ったここ数年の停滞を打破する充実を感じさせた。まさかその陰に前代未聞の不正が蠢いていたなど、考えもしなかったのである。
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